彼岸寺

創刊
2003年7月

企画・運営
松本紹圭

お坊さんが立ち上げ、お坊さんが運営するウェブマガジン。
主に記事を書いているのは30代の若いお坊さん。仏教に関することなどを、分かりやすい言葉で伝えている。

 

あなたは仏教と聞いて、なにを思い浮かべますか?
近しい人やご先祖のお墓まいり、お経の声やお線香の匂い。
それとも、お坊さんのむずかしいお話や、子どもの頃にお寺の境内で遊んだ記憶、
あるいはなにかもっと漠然とした、神秘的な印象だったりするかもしれません。
こうしてちょっと考えてみるだけでいろんな答えが浮かんでくると思いますが、
どれも間違いではありません。
ある意味では、それらすべてが仏教だとも言えるでしょう。

その昔、お釈迦さまのインドから長い道のりを経て日本へ伝えられた仏教は、
歴史が川の流れのように移りゆく中で少しずつそのかたちを変えながら、
この風土ならではのユニークな展開を遂げてきました。
仏教の歴史はまさに、わたしたちがこの土地で生きてきた歴史。
それぞれの時代に合わせて変化してきた仏教に、わたしたちの歴史そのものをみることができます。
また仏教から、わたしたちの祖先が時代に流されることなく大切に受け継いできた文化や伝統と、
それを次の世代に守り伝えていくための方法論を学ぶこともできるでしょう。

そんなふうに、これまで時代によって柔軟にかたちを変えながら
わたしたちのこころを豊かに育んできた仏教ですが、最近なんだか元気がありません。
人びとの宗教離れは進むばかりで、お寺は活気を失い、
感謝の気持ちを分かち合える身近な場所が消えつつあります。
世の中がずいぶん世知辛くなってきたのも、
人びとから仏教のこころが失われてきていることと無関係ではないでしょう。

しかし、このまま仏教が消えてなくなってしまったら、
わたしたちの元には、いったい何が残るでしょうか。
うまく言えないのですが、
とにかくお金や時間では決して取り返しのつかないなにかを失ってしまうであろうことは、
間違いありません。
いえ、だからといって、なにも時代の流れを止めようというのではないのです。
そうではなくて、これまで時代の流れに合わせて柔軟にかたちを変えながら
ほんとうに大切なものを守り伝えてきた仏教の方法論に、
今こそ学ぶときではないかと、そう思うのです。

今、わたしたちはどこに生きているのだろう。
そして、 これから受け継いでいくべき ほんとうに大切なものはなんだろう。
ここ彼岸寺は、人びとのそんな思いが集まって建てられたみんなのお寺。
こりかたまった仏教をときほぐし、今に生きる仏教へと再編集する、まったく新しい場です。

彼岸寺を通じて世界中のみなさんに、すてきなご縁を結んでいただければ、とてもうれしいです。

彼岸寺開基 松本紹圭

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